ルティレの軸足がインに入ってしまう方へ

ルティレをしていて軸足がイン(内股)に
入ってしまう現象について考察します。

一概に、●●ができない、うまくいかないと言っても
その原因は多岐に渡ります。

今回は、よく起こるケースを想定して
それぞれの解説と対策をご紹介します。

大臀筋の筋肉で引き止められてないケース

お尻の最も大きな筋肉、大臀筋が十分に機能せず骨盤を支えられていないためルティレの軸足がインに入ってしまう方がいます。
大臀筋は脚をデリエール(後方)に運ぶ作用のある筋肉です。
また、同時に骨盤の位置を固定する役割も持ちます。

単純に大臀筋が弱い(純粋に筋力が足りてない)場合もありますがこのケースではほとんどの場合は大臀筋の機能低下が起きています。

機能低下とは、筋肉量そのものは足りないのではなく大臀筋という筋肉がうまく使えていないという意味です。

原因は、骨盤が前方に偏位している、過剰に前傾している姿勢の乱れであったり骨盤のアラインメントであったり多岐にわたります。

大臀筋という筋肉は機能低下を起こしやすい筋肉の一つです。
バレエそのものが問題ではなく、普段の仕事や生活習慣で機能低下が発生する場合が多いように感じます。

この場合は、大臀筋が正常に働ける状態に戻すことで変化していきます。

真っ直ぐ正しく立ててないケース

ルティレの軸足がインに入ってしまう理由の一つに真っ直ぐ正しく立てていない、というものがあります。

パラレル・6番ポジションの段階で真っ直ぐ立てていない方とターンアウトポジションになると真っ直ぐ立てなくなる方とがいます。

前者の方が圧倒的に多いと感じます。

バレリーナは姿勢がいいという印象があるかと思いますが、一見すると、綺麗な姿勢に見えても機能的に評価すると姿勢に問題があるバレリーナはたくさんいます。

ルティレの運用を変えても根本的な問題は変わっていないので真っ直ぐ立てるようにすることが先決です。

このケースは、ルティレそのものを治さなくても、真っ直ぐ正しく立てるようになることで変化していきます。

軸足がそもそも弱い場合

動脚側ではなく、軸足そのものに問題がある場合もあります。
具体的には、大腿四頭筋・ハムストリングス・内転筋群のバランスが極端に崩れており、大腿骨の上に安定して立つことができないケースが多いです。

軸足が不安定なせいで、骨盤と反対側の脚をうまく支えることができずにルティレが開いてしまう例です。

軸足が弱いならトレーニングをするのがおすすめです。

ただし、アンバランスが解消される前のトレーニングはお勧めしません。

軸足を強くしようと大腿四頭筋が強化されるようなメニューを組んでしまうと、このアンバランスは余計に強調され
片足で立つと異常に前ももが張るようになります。

ひどくなると、膝関節や股関節のトラブルを引き起こすため軸足のトレーニングは計画的に行う必要があります。

足の裏がちゃんと床をつかめていない場合

軸足の脚全域ではなく、足の裏に問題の中核があることもあります。

よく起こる例は、扁平足や開帳足などの足底のアーチに問題があるケースです。

バレリーナは骨盤を前傾させる癖がつくので扁平足になりやすい傾向にあります。

足底のアーチは足から上を支えるための強力な橋のような役目を持っています。

このアーチに問題がある場合、ルティレを開いた際に発生する剪断力を足の裏で抑えることができず結果的に足が回ってしまいます。

また、足の裏にある水平を感知するためのセンサーである固有受容器に問題がある場合もあります。

このケースでは、足の裏のアーチやセンサーが正常化することで変化していきます。

股関節だけでアンディオールしようとしている場合

ターンアウトそのものを股関節だけで行おうとしてルティレが保てなくなるケースも多いです。

体全体を連携させずにターンアウトをさせようとすると大腿四頭筋が強く興奮しますので足は前方向に伸びようとします。

このケースでは、ターンアウト(アンディオール)そのもののやり方を修正する必要があります。

ルティレがクルっとなってしまうバレリーナに多い理由と対策をご紹介しました。

クラシックバレエでは全身の整合性が非常に重要になります。

パフォーマンスの伸び悩みは、柔軟性や筋肉量が原因ではないことも多いです。

ルティレ開いて!位置をもっと高く!と先生に注意されても
それを直すために意識するべきところはそれぞれ違います。

痛みや不具合がなくても対応できます。(バレエの方はほとんどこのケースです)

パフォーマンスでお悩みのバレリーナはぜひ当院にお越しください。

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