当院はクラシックバレエの整体を行なっていました。
今でもクラシックバレエのターンアウトに関する問い合わせを多く頂いております。
Google検索でも「バレエ 整体」というキーワードで当院にたどり着かれる方が多いようです。
ホームページを一本化するためにバレエ専門のホームページは解約してしまいましたので、クラシックバレエのターンアウトについてお調べになった方向けにターンアウトについてのコラムを書きます。
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バレエのターンアウトに干渉する要素
クラシックバレエにおけるターンアウトはそこから起こるVaの前提になる基本姿勢と言えます。
ターンアウトが不完全であったり、運動学的に問題があるものだと、パフォーマンスや審美性に影響を与えます。
見た目や能力だけでなく、バレエを踊る上での怪我のリスクが高くなります。
ターンアウトが開かないお悩みを持っているバレリーナは大勢いらっしゃいます。
だからと言ってとにかくひたすらストレッチをしたりハードな筋トレをしてもターンアウトが開くようになるとは限りません。
ターンアウトが開かない理由は人によって微妙に違いますし、理由がひとつとは限りません。
ターンアウトへの干渉要素の中でも特に多い四つの要素をご紹介します。
骨盤の傾斜と腹筋背筋のバランス
一つ目の干渉要素は骨盤傾斜と腹筋背筋のバランスです。
これらの問題はセットで起こります。
理想的なターンアウトを成立させるには骨盤の傾斜がある程度前傾している必要があります。
骨盤傾斜が足りていなかったり、あるいは逆方向に傾斜してしまっている場合、ターンアウトは不完全なものなります。
これは、パズルでいえば一手前の行程が間違っているようなものです。
なのでターンアウトそのものをいくら創意工夫してもなかなか変化が出ません。
腹筋や背筋が過剰に緊張していたり、弛緩しすぎて機能低下を起こしていても同様の問題が起こります。
骨盤の傾斜は正常な角度を保持できていても、骨盤に付着してる筋肉群がしっかり働いていないと形は綺麗だけどターンアウトが開かないという現象が起こります。
股関節周囲の筋肉や組織の問題
腹筋や背筋の問題以外にも股関節周囲の筋肉や組織がターンアウトを障害することがあります。
大臀筋・中臀筋・大腰筋・大腿筋膜張筋などの股関節周辺筋の筋力バランスがうまく取れていなかったり、あるいは一部分だけ低下していたりするとターンアウト動作に干渉します。
特に多いのは中臀筋という、股関節をアラセゴンに動かす機能を持った筋肉が機能低下を起こしているパターンです。
この状態だとターンアウトの形を作っても荷重ができなくなります。
つまりポジションがキープできなくなります。
ターンアウトが開かない中でも、軸足や動脚がパラレルに戻ってしまうというお悩みの場合は最初にここを疑います。
中臀筋が働かないとターンアウトに重要と言われている梨状筋などの外旋筋も傷害されますので注意が必要です。
セラバンドなどのゴムチューブ系のグッズでお尻を鍛えているのに股関節周りが強くならないとお悩みの方も一度この中臀筋を見てみてください。
足首の機能障害
足首の可動域が狭かったり、荷重の偏りがあったり、特定の筋力が低下しているとその問題が膝を経由して股関節へ干渉しターンアウトに制限が起こることがあります。
特に多いのはバレエでは鎌足と呼ばれる足の問題です。
足首をポアントポジションに持っていった際に底屈と呼ばれる動作が正しく行われず、足そのものが親指方向にねじられような動きを起こしてしまう状態です。
足首が鎌足になりやすい状態だとターンアウトがうまく開きません。
鎌足が発生してしまうバレリーナの足は、ターンアウトに必要な筋肉の働きが悪くなっているためです。(具体的なメカニズムは複雑になるので今回は簡略に結論だけ書きます)
回内足や回外足と呼ばれる足の状態異常があってもターンアウトが開きにくくなります。
これは脛の骨と足首の位置がズレている状態です。
ターンアウトが開かないとなるとどうしても骨盤や股関節に目が行きがちですが、足首の機能障害やアラインメントの崩れなどが理由でターンアウトが開かないバレリーナはとても多くいます。
足首の問題はターンアウトではあまり重要視されない傾向にあるので、見逃されがちです。
もしあなたが股関節の柔軟性もお尻や腹筋の筋力も十分にケアしたのになかなかターンアウトが開かなければ足首の問題を見てみるといいかもしれません。
バレエの基本動作の誤り
立ち方、引き上げ、ポジションなどバレエの基本動作が誤って行われているとターンアウトがうまく開かなくなります。
ターンアウトそのものの動作が間違っていることもあります。
例えば、骨盤の傾斜と腹筋背筋のバランスの項で書きましたように腹筋の過剰緊張があるとターンアウトがうまく開かなくなります。
バレリーナの中には引き上げる際に過剰な腹筋の緊張を起こしてしまう方が少なくありません。
肋骨から臍部分にかけて持続的に筋肉が緊張していればターンアウトはなかなか思うように広がりません。
足の前面の筋肉がつられて緊張し、股関節の動きにブレーキをかけてしまうからです。
他にも、とにかく足を開こうとして股関節ではなく膝が曲がってしまうようなポジションになっていたり、そもそも6番パラレルで立った段階で真っ直ぐ立つことができていない場合もあります。
ストレッチが必須なケースは思ったより少ない
この記事に辿り着いた方は「ターンアウト ストレッチ」だとか「ターンアウト 柔軟」だとかの単語で検索をかけられたのだと思います。
これまで私が見てきたバレリーナたちの中で柔軟運動やストレッチが足りてなくてターンアウトが思うように開かない方はそれほど多くありませんでした。
というのも、彼女たちはもれなく熱心に努力されていました。
股関節周辺のストレッチや柔軟運動を毎日毎日年単位で続けて来られていた方がほとんどでした。
ストレッチが必要な、柔軟性が足りてないことで開かないタイプのバレリーナはそのほとんどが自助努力で解消しているはずなんです。
毎日毎日何年もストレッチや柔軟運動をやってるのになかなか思うように開かない、というバレリーナはここまで書いてきたような問題が背景にあるかもしれません。
ストレッチや柔軟運動を一生懸命一定期間にわたって取り組んだのだけれど一向にターンアウトが開くようにならないという方は一度『体の柔軟性以外』の目線からお体を見てみるといいでしょう。