梅雨があければ夏本番です。だんだんと暑さが厳しくなってきました。
この時期、意外にも多いのがギックリ腰などの急性腰痛です。
今回のブログでは夏場に増える腰痛の原因や予防法、対策について詳しくご説明します。
夏場にギックリ腰が増える理由
夏になると急性腰痛が増える傾向にあります。
その主な理由として以下が挙げられます
1. 冷房による体温調節の乱れ
2. 夏バテによる筋力低下
3. 水分不足による筋肉や関節の柔軟性低下
4. 夏の行事や活動による急激な運動量の増加
5. 寝冷えによる筋肉の緊張
これらの要因が重なり、普段は問題ない動作でも腰に負担がかかりやすくなると考えられます
ギックリ腰の症状と原因は?
ギックリ腰の主な症状は
– 急激な腰の痛み
– 腰の動きの制限
– 立ち上がりや歩行の困難
– 腰部の筋肉の硬直や痙攣
などが挙げられます。
具体的には……
いつもの慢性的な腰痛とは違う、強く鋭い痛みが発生します。
ひどい場合は思うように動けなくなります。
特に初動時、動き出し動作時に制限が発生します。
痛みが落ち着いた後も筋肉の痙攣や緊張が残ります。
ギックリ腰は腰部の筋肉や靭帯、神経に急激な負担がかかることで発生すると考えられています。
しかし、激しい運動や重いものを持ち上げたことがキッカケでぎっくり腰になったというケースは実際にはそれほど多くありません。
多くの場合、引き金となる動作は実に軽微なものです。(例えば、歯を磨いた振動で、など)
自覚症状がないままに、水面下で腰に負荷が蓄積していたことがギックリ腰の本当の原因であると当院は考えます。
夏場のギックリ腰予防法
夏場のギックリ腰を予防するためには、以下の点に注意しましょう
1. 適切な水分補給
こまめに水分を摂取し、体内の水分バランスを保ちましょう。
体が脱水状態にある場合はただの水では水分吸収が効率的にできない場合があります。
持病などがなく、主治医から禁止されていない場合はスポーツドリンクなどで電解質も補給するのが効果的です。
ただしスポーツドリンクは糖分・塩分を含むため常飲と多飲は控えましょう。
2. 冷房の適切な使用
室内と外の温度差を5℃以内に保つよう心がけましょう。
と、以前は言われていましたが現在の外気温を考えると温度差5℃以内は現実的に難しいことがあります。
外が40℃近い炎天下だからとて室内を35℃設定にはできませんよね。
極端な温度差は腰痛の原因になりますが、熱中症になってしまっては元も子もありません。
現実的にできる対策としては風向きのコントロールがあげられます。
神経痛のリスクを減らすために、冷房の風が直接体に当たらないよう注意しましょう。
3. ストレッチと軽い運動
朝晩のストレッチで筋肉の緊張をほぐしましょう。
ウォーキングなどの軽い運動で体を動かす習慣をつけることで血流と新陳代謝の促進が期待できます。
ただし、日中の日差しが強い中でのウォーキングはお勧めできません。
4. 適切な睡眠
質の良い睡眠をとり、体の回復を促しましょう。
熱帯夜は寝不足になりやすいので、エアコンを活用しましょう。
ただし、寝冷え防止のためにも腹部を冷やさないよう注意しましょう。
腹巻きや就寝用ソックスを活用すると快適です。
5. バランスの良い食事
ビタミンやミネラル、タンパク質をバランス良く摂取しましょう。
夏バテ予防のため、適度な塩分摂取も大切です。
十分に食事が摂れていないと固形物からの水分補給が不足して熱中症になるリスクも上がります。
夏場は食欲が低下し、口当たりのいいものに食事が偏りがちですので注意しましょう。
6. 姿勢の改善
デスクワークの方はこまめに姿勢を正しましょう。
どれだけ注意していてもOA作業に集中していると姿勢は崩れてきます。
だんだん姿勢は崩れるもの、と割り切って定期的にリセットすることが大切です。
長時間同じ姿勢を続けないよう、適度に体を動かしましょう。
7. 重い物を持つ際の注意
冒頭で重い荷物を持ったことが直接原因のギックリ腰は少ないと書きました。
引き金になるケースが少ないだけで、重い物を持つ行為が腰への負担になることは事実です。
重いものを持つ際は、膝を曲げて腰を落とし、背筋を伸ばした状態で持ち上げましょう。
背中が曲がった状態だと背骨や椎間板にかかる負荷が非常に大きくなり、ギックリ腰のリスクを高めます。
背中が曲がった状態=脊柱後方に圧力がかかる姿勢は、ギックリ腰だけでなく腰椎椎間板ヘルニアや腰椎の関節症の直接原因になります。
理想的なフォームで、勢いをつけた急激な動きは避け、ゆっくりと動作を行いましょう。
8. 筋肉量を維持する
筋肉量の多寡は腰痛の回復速度に大きく影響します。
筋肉量が少ない女性はご高齢の方は無理のない範囲で腹筋や背筋を鍛えるトレーニングを行い、体幹部分を強化しましょう。
ただし無理なトレーニングは腰痛の原因になります。
痛みがなく、無理なくできる簡単なものから始めましょう
ギックリ腰になってしまった場合の対処法は?
不幸にもギックリ腰になってしまった場合は、以下の対処を行いましょう
1. 安静にする
痛みが強い場合は無理に動かさず安静にしましょう。
ただし、長期の安静は筋力低下を招くため、痛みが和らいだら徐々に動き始めましょう。
ギックリ腰の程度にもよりますが、短ければ三日四日で、長くても二週間程度で最も苦しい急性期は終わります。
行動を制限するほどの鋭い痛みがなくなったら日常生活レベルでは積極的に動きましょう。
2. 冷却と温熱療法
ギックリ腰の発症直後48時間は冷却が効果的です。
冷湿布には冷感がありますが、患部を冷やす能力はほとんどありません。
むしろ熱をこもらせてしまう傾向があるため、冷却を目的とした場合は氷嚢かアイスノンを使いましょう。
48時間以降は温熱療法を行って血行を促進しましょう。
3. 痛み止めの使用
痛みがあまりにひどい場合は市販の痛み止めや湿布を使用して、痛みを和らげるという選択肢もあります。
ただし、痛みを完全に抑えると無理をしてしまい、結果的に回復が遅れたりさらなる悪化を招く場合があります。
痛み止めの使用の是非はお一人お一人の考え方にもよりますが、どうしようもない場合以外はあまり使わないことをお勧めしています。
理由は、痛み止めを使う方は多くの場合、継続的に使用する傾向があり、結果的に根本的な部分の改善から遠ざかってしまうからです。
また、痛み止めを何度も使うことで人体が持つ痛みを抑制する機能が低下する可能性があるからです。
4. ストレッチと軽い運動
最も症状が強い急性期が終わり、痛みが和らいだらゆっくりとストレッチを始めましょう。
徐々に動きを増やして、筋の柔軟性と筋力の回復を図りましょう。
5. 専門家のフォロー
痛みが長引く場合や症状が重い場合は、医療機関での診察を受けましょう。
医療機関を受診して特に異常がない、問題がないと判断された場合は整体院や整骨院を試してみましょう。
稲城ひらお整体院での腰痛整体
当院では、ギックリ腰を含む腰痛に対して、以下のような方針で整体を行っています
1. 詳細な問診と検査
痛みの原根本因を特定するため、丁寧な問診と全身の検査を行います。
ギックリ腰は急激な負荷や運動で起こるケースはあまり多くありません。
ほとんどのものが、慢性的な腰痛の劇症化であると考えられます。
従って、はじめて腰痛が起こった頃から遡って考える必要があります。
2. 検査結果に基づく施術計画
ご利用者様一人ひとりの状態と病歴に合わせて本当によくなるための施術計画をご提案します。
ギックリ腰の痛みの緩和は早ければ三日四日、遅くても二、三週間で起こります。
本当の目的は痛みが緩和することではなく、ギックリ腰が発生するようなコンディションを改善させることにあります。
3. ソフトな刺激による施術
筋肉や神経への負荷が少ない、短時間のソフトな刺激による施術を行います。
ギックリ腰の急性期は悪化させてしまうリスクのある禁忌施術が存在します。
急性期が終わった後でも、グイグイ揉んだり引っ張るような施術はあまり好ましくありません。
4. 生活習慣の改善アドバイス
腰痛の再発を防ぐために、日常生活での注意点をアドバイスします。
どれだけ良い整体を適切な頻度と期間行っていても、生活習慣が滅茶苦茶では根本的に良くなることはありません。
腰のためにやってほしいこと、やらないでほしいことをそれぞれできる範囲で続けることが大切です。
5. 長期的な改善を目指す
繰り返しになりますが一時的に痛みが和らぐことが目的ではありません。
一番良くないことは、一時的に痛みが和らぐことで腰を悪化させる習慣をいつまでも続けてしまうことです。
痛みの緩和だけでない、根本原因の解消=長期的な腰痛解消を目指します。
夏場の腰痛予防のための生活習慣
夏場の腰痛を予防するためには、日々の生活習慣を見直すことが重要です。
以下のポイントに注意しましょう
1. 適切な睡眠環境の整備
適度な硬さのマットレスを使用し、体のラインに沿った寝姿勢を保ちましょう。
高すぎる枕は脊柱のアンバランスを引き起こす恐れがあります。
冷房の設定温度に注意し、風が直接当たらないようにして寝冷えを防ぎましょう。
就寝時用ソックスや腹巻きを使うのもオススメです。
2. デスクワーク時の姿勢改善
椅子の高さや背もたれの角度を調整し、正しい姿勢を保ちましょう。
頭部が45度以上下を向く作業環境は非常に危険です。
外部モニターや高さ調節ができる作業台を使って、頭部がなるべく傾かないように環境を整えましょう。
そして何よりも大切なことは同じ姿勢で居続けないことです。
最低でも1時間に1回は(可能ならば20分に1回は)立ち上がって、オフィスを歩いたり、軽いストレッチを行いましょう。
3. 適度な運動の継続
ウォーキングや水泳などは、比較的腰に負担の少ない運動です。
運動は継続することが大事ですので定期的に行いましょう。
出来る方は腹筋や背筋を鍛えるトレーニングで、体幹を強化すると理想的です。
4. 栄養バランスの良い食事
カルシウムやマグネシウムなど、骨や筋肉の健康に必要な栄養素を摂取しましょう。
特にカルシウムとマグネシウムは体の代謝に影響する栄養素です。
特に現代人はマグネシウムが不足する傾向にありますので注意しましょう。
この時期は夏バテ予防のため、ビタミンB1やビタミンCを積極的に摂取しましょう。
5. ストレス管理
ストレスは交感神経を亢進させ、筋肉の不必要な緊張を引き起こします。
交感神経が亢進しているとダメージの回復が阻害され、腰痛がなかなか良くなりません。
趣味や娯楽など、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
ただし、飲酒・喫煙・過食はストレス解消にはなりませんので注意してください。
6. 適切な水分補給
夏場は特に水分補給が重要です。こまめに水分を摂取しましょう。
筋肉から水分を奪ってしまうアルコールや、炎症の引き金になる糖分の多い飲料は控えめにしましょう。
ノンアルコール・ノンカフェイン・ノンシュガーが理想的です。
水やお茶を中心に補給しましょう。
7. 冷房の適切な使用
冷房の温度設定は28℃を目安に、外気温との差を『できれば』5℃以内に保ちましょう。
冷房の風が直接体に当たらないように、風向きや座る位置に注意しましょう。
物理的に難しい場合はブランケットや膝掛けを使いましょう。
8. 適切な靴の選択
腰痛をみる上で靴は非常に重要な要素です。
なぜなら、坐骨神経の出口は足の裏にあり、足に負荷がかかることは坐骨神経への負担に等しいためです。
クッション性のある靴を選び、長時間の歩行や立ち仕事による腰への負担を軽減しましょう。
ヒールの高い靴は避け、安定性のある靴を選びましょう。
最後に
夏場のギックリ腰は、適切な予防策と生活習慣の改善により、かなりの程度予防することができます。
しかし、それでも腰痛に悩まされる場合は、早めに専門家のフォローを受けることをおすすめします。
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた施術と、長期的な改善を目指したアプローチを行っています。
腰痛でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
夏を健康に、そして快適に過ごすためにも、日々の生活習慣を見直し、腰の健康管理に努めましょう。
皆様の健康的な生活のサポートを、稲城ひらお整体院は全力で行ってまいります。