〜新百合ヶ丘、栗平、稲城若葉台で首肩の痛み、腰痛、頭痛の整体なら稲城ひらお整体院へ〜
洗濯物を干すのがツライ
毎日繰り返し行う家事は想像以上にお体に負担をかけています。
料理や洗い物はずっと下を向いていますし、その状態で重いものを扱ったり力を入れたりするため、首や肩に負担がかかります。
家事は昔に比べれば随分と楽になったという風潮もありますが、それでも完全に全ての工程が自動化されたわけではありません。
今回のコラムのテーマは洗濯物と首や背中の痛みです。
首の痛み、肩の痛み、背中の痛み、腕の痺れや違和感などでお悩みになり当院へお越しになった方の中に「洗濯物を干すとき、または取り込むときが特に辛い」という訴えをされる方が一定数いらっしゃいます。
大量の洗濯物を扱う環境にいるわけでも、特殊な衣類を選択しているわけでもなく、いわゆる普通の洗濯物を干したり取り込んだりするときが一番痛いケースです。
詳しくヒアリングをして既往歴を確認してから検査を行わないと断言することはできないのですが、経験則で言うと、このようなお悩みは胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)と呼ばれる状態であることが多いように思います。
胸郭出口症候群とは
胸郭出口症候群とは、肋骨(胸郭)と首や胸の隙間(出口)から出る神経や血管が圧迫されて痛みや痺れを出す症候群のことです。
洗濯物を干したり取り込んだりするときのように手を上に上げたときによく起こります。
他にも、髪を後ろで束ねたり、大きく上を向いたりして肋骨と首や胸の隙間が狭くなるような動きをすると起こります。
電車やバスの吊り革をつかむ姿勢でも発生することがあります。
斜角筋や小胸筋や鎖骨下筋など首や胸の隙間を走る筋肉の過緊張で発生するケースや、ストレートネックなど頚椎周辺の配列バランスが崩れることによって起こるケースもあります。
筋肉や骨格の影響だけでなく精神的な緊張や、酸欠、喫煙などで同様の症状が起こることもあります。
神経や血管が圧迫されることによって起こるケースの他に、神経が過剰に引っ張られて起こるケース、またこれら二つの複合原因で起こるケースなど発生原因は複雑です。
胸郭出口症候群の改善には生活習慣の見直し、姿勢の改善、患部周辺のストレッチなどが推奨されてます。
よほど症状がひどかったり、血管に障害が出るようなケースは手術適応になります。
やってはいけないセルフケア
病院で胸郭出口症候群だと言われてストレッチを頑張っているがなかなか良くならない、あるいは痛みや痺れが強くなっているように感じるというご相談をいただくことがあります。
先ほどの段落で胸郭出口症候群は圧迫されるタイプと引き伸ばされるタイプの二つに大別される、と書きました。
圧迫されるタイプの胸郭出口症候群にはストレッチによる筋緊張の緩和は非常に良いと思います。
ですが、引き伸ばされるタイプの胸郭出口症候群にはストレッチによる筋緊張の緩和というメリット以上に、神経の過伸展(過剰に引き伸ばされること)というデメリットの方が強く現れるように感じます。
神経はそもそも引っ張る力に弱い組織です。
多くの方が感じる首こりや肩こりなどのお悩みの中にも、圧迫されるタイプの首こり肩こりと引き伸ばされるタイプの首こり肩こりがあります。
ストレッチをやればやるほどかえってこり感を感じるのは、後者の引き伸ばされるタイプの首こり肩こりだからです。
筋肉と神経が慢性的に引っ張られる→筋力が低下する、神経が感覚異常を起こす→前後左右のバランスが崩れさらに引っ張られる→という悪循環が起きています。
こんな状態のところにストレッチを入れると、筋肉はさらに引き伸ばされて筋力低下し、神経もさらに引き伸ばされて痛みや痺れを強く出すようになります。
胸郭出口症候群で特に症状が強いときや、発生からまだ日が短く急性的な状態が終わってない場合に、過度または不適切なストレッチを行うと胸郭出口症候群が悪化する恐れがあります。
このように痛みや痺れがあるからストレッチをしてみたところ悪化したケースは、この胸郭出口症候群だけに限りません。
坐骨神経の痛みや、単純な筋筋膜性腰痛でもセルフケアで悪化してしまうことはあります。
その中でも、この胸郭手口症候群はセルフケアによる悪化(=引っ張られるタイプに対してストレッチをしてしまう)が多いように思ったので今回のコラムを書きました。
首・肩・背中の痛み、腕の痺れや脱力感でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
これはストレッチやセルフケアをやってもいいものなのか、あるいはまだその段階ではないのかを判断してから取り組みましょう。