筋トレで肩こりや腰痛はよくなるの?

〜新百合ヶ丘、栗平、稲城若葉台で首肩の痛み、腰痛、頭痛の整体なら稲城ひらお整体院へ〜

慢性的な肩こりや腰痛を解消するために筋力トレーニングを試みた経験はありますか?

腕立て伏せやスクワットなど自宅でできる自重トレーニング、マシンやウエイトを用いたジムトレーニング、専門的な器具やメソッドを用いた特別なプログラムなど筋力トレーニングにもさまざまなものが存在します。

肩こりの大きな原因のひとつとされる僧帽筋や腰痛の大きな原因のひとつとされる脊柱起立筋は肩こりや腰痛解消の筋トレ対象としてよく取り上げられます。

当院のご利用者様からも「どういう筋トレをしたらいいですか?」という質問をいただくことが多々ありますが、一概にコレというものは言えない傾向にあります。

今回のコラムでは特に多いお悩みである『肩こりと腰痛の筋トレ』について考察していきます。

僧帽筋の筋トレは肩こりをラクにするのか

肩こりや首の痛み、緊張型頭痛は僧帽筋という筋肉の問題が主な原因になると言われています。

僧帽筋は、首の後ろ・左右の肩甲骨・背中の真ん中近くまで分布する菱形◇の筋肉で、この筋肉が過緊張したり血流低下を起こすせいで肩や首の痛みや凝りを出し、ひどくなると緊張型頭痛を誘発すると言われています。

僧帽筋を筋トレで鍛えることで慢性的な肩こりや首の痛み、緊張型頭痛の緩和が期待できると言われてます。

「これ実際のところどうなの?」と言いますと逆に僧帽筋の筋トレで肩こりや首の痛み、頭痛が悪化することが少なからずあります。

僧帽筋という筋肉は面積の大きい筋肉で、菱形◇のうち、上部・中部・下部で運動の作用が変わります。

上の方は肩をすくめるような動き、腕を支えるような動きでよく働きます。

真ん中あたりは肩甲骨を固定したり、肩を後ろに引くような動作でよく働きます。

下の方は肩甲骨を固定したり、肩甲骨を下に回転させたりするような動作でよく働きます。

肩こり解消のための筋トレとしてよく挙げられる種目に「シュラッグ」というものがあります。

これは、ダンベルやバーベルを持って肩をすくめるような動きです。ターゲットは僧帽筋の上の方になります。

僧帽筋の上の方を運動させることで肩こり解消を狙うという仕組みですが、僧帽筋の上部が過緊張してしまっている場合、あまり大きな変化が出ないことがあります。

それどころか、シュラッグをやったせいで余計に肩こりがひどくなったり、緊張型頭痛を誘発してしまうこともあります。

一般的な慢性の肩こりの場合、僧帽筋は真ん中から下の方が機能低下していて、そのせいで僧帽筋の上の方が過剰緊張している、機能の偏りからくるパターンが多いように感じます。

肩をすくめるような動きや腕を酷使する作業は多くやっているけど、肩を後ろに引いたり腕を下に押し下げるような動作をほとんどやらないという生活習慣がバックボーンにあると考えられます。

この場合、トレーニングするべきは僧帽筋は僧帽筋でも、働き過ぎている上の方ではなく使われていない下の方なのです。

「じゃあ下の方のトレーニングをしたらいいじゃない」となります。その通りです。

ですが、「普段使っていない筋肉は筋トレで思うように反応しない」という現象がしばしば発生します。

僧帽筋の下の方を狙ったトレーニングをしているのだけど全然違う場所に作用してしまい、その結果余計に肩や首に負担がかかったり、別の場所がトラブルを起こすということが起こります。

これには、普段から使っていないから運動神経の伝達が悪いという側面と、僧帽筋以外の部分に問題があって本来の生理的な動作がうまく成立しないという側面があります。

例えば、お尻の筋力が極端に低下していたり、普段から姿勢が悪く猫背気味の人は思うように僧帽筋の下の方を運動させにくい傾向にあります。

このような人に僧帽筋のトレーニングをやってもらっても、思ったような結果がなかなか出ません。

僧帽筋の筋トレで肩こりをラクにするには、狙うべきターゲットをしっかり絞って、適切に動かせることが前提条件になります。

脊柱起立筋の筋トレは腰痛をラクにするのか

腰痛の原因のひとつとされる脊柱起立筋への筋トレはどうでしょうか。

実はこちらも同じことが言えて、単純に脊柱起立筋の筋力が低下してしまっているケースもありますが、脊柱起立筋に過剰に負荷がかかっているケースも存在します。

後者の場合は、脊柱起立筋の筋トレをすると状態は悪化してしまいます。

脊柱起立筋は非常に長い筋肉で、お尻の割れ目あたりから頭の後ろの方まで伸びていますので、僧帽筋の例と同様に「上の方が全然働いてなくて下の方が過剰に緊張してしまっている」というケースもあります。

これ以外にも、腰から出ている運動神経の伝達がうまくいかずに下肢の筋力が弱っている場合、脊柱起立筋への負荷は大きく増えると言われています。

ですので腰痛=脊柱起立筋へのトレーニングという単純な考え方は少し危ないように思います。

脊柱起立筋の自重トレーニングで最もわかりやすいのは背筋運動でしょうか。

しかし、腰椎や椎間板に問題がある方は、この背筋運動の動きは要注意です。

ウエイトトレーニングの有名な種目である、デッドリフトと呼ばれる重量物を床から引き上げるトレーニングは脊柱起立筋などに特に効果があるとされていますが、脊柱起立筋そのものや腰椎周辺の組織を損傷するリスクがとても高いとされています。

一時期大流行りした、床に腕をついて体幹を支えるプランクも、やり方を間違えると同様のリスクがあります。

腹筋運動も同様です。

以前は腹筋が弱いと腰痛になると言われていましたが、最近では「仰向けでの腹筋運動は腰痛の直接原因となり得る」ということで、腹筋運動を推奨しないという考えも強くなってきました。

脊柱起立筋の筋トレで腰痛をラクにするには、そのトレーニングが腰痛の悪化要因にならないかを慎重に判断する必要があると言えます。

状況とタイミングをよく見て

ここまで肩こり腰痛対策の筋トレに対してややネガティブな意見を書いてきてしまいました。

ですが長期的に考えたときには、適度な筋トレは慢性的な肩こりや腰痛の改善に非常に有効な手段だと考えています。

慢性的な肩こりや腰痛を根本的に解消しようとしたとき、筋量を増やすということは非常にパワフルなセルフケアです。

血流量が増えて痛みや不快感を洗い流す能力が強くなりますし、仕事や育児などで発生する日常生活での物理的な負担に耐えられるようになってきます。

ただし筋トレを積極的に導入できるのは状態が安定している段階での話です。

今まさに肩首の痛みや腰痛で悩んでいる、しょっちゅう痛くなる、辛くなるという人は筋トレを第一選択にしない方がいいと思います。

正しいメニューを選び、生理的には適切な範疇の負荷であっても悪化を招くことがしばしばあります。

また、運動器の機能的な障害がある場合トレーニングの効果は下がり怪我をするリスクは大きくなります。

正しいフォームで無理のない回数を行なっていても、肩や腰のコンディションが回復しきっていない場合はトレーニング動作が痛みを誘発することがあります。

当院でもストレッチや筋トレなどのトレーニングやセルフケアは安定期を迎えるまではご遠慮いただくようにお伝えしています。

時期尚早なセルフケアのせいで、結果的に回復を遅れるケースがとても多かったためです。

筋トレは肩こりや腰痛が生活習慣で再発しないように活用していただくことをお勧めしています。

その際でも、弱い強度で少ない回数から始めていくのが失敗しないセオリーです。

慢性的な肩の痛みや腰痛を筋トレで解消しようと考えている方は、しっかりと基礎知識を頭に入れてからリスクが最も小さくなるプランで始めてみてください。

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