ランドセル症候群という言葉をご存知ですか?
今や小学生の3人に1人はこのランドセル症候群にあたると言われています。
ランドセル症候群とは、自分の体に合わない大きく重いランドセルを使うことで起こる、肉体や精神のさまざまな症状を指します。
具体的には腰痛、肩こり、頭痛、通学が辛いなどの精神的憂鬱などです。
ランドセルの重量は平均4キロ超と言われています。これに対して小学校低学年生の平均体重は25キロと言われてます。
実に体重の16パーセントに相当するランドセルを背負って登校していることになります。
お子さんが未発育な筋骨格でランドセルを背負うとき、ランドセルの重さをどう処理しているかご存知ですか?
後ろに倒れそうになる重いランドセルを背負う時、お子様は頭部を前方に突き出すことでバランスを取っています。
その結果、肩首の筋肉に慢性的なストレスが発生します。首に持続なストレスがかかることで筋肉や筋膜が原因となる筋筋膜生頭痛を誘発する可能性が高くなります。
同時に、首には自律神経の分布が多いため、気分が優れない、元気がないなどの精神的な問題も発生しやすくなります。
そして、ランドセルの重さは背部の筋肉を介して腰部にまで緊張を伝播します。
なので、ランドセルが重いと肩こりだけでなく腰痛や頭痛も発生するのです。
ランドセルを軽くすることも大事だけど
姿勢の乱れは、現代社会では幼稚園児から発生すると言われています。その大半は、頭部が前方に突き出ることに端を発します。
頭部が前方に突き出る習慣は、勉強などの学習姿勢、スマートフォンやパソコンの操作、そして重すぎるカバンなどと言われています。
今背負っているランドセルの重さを軽くすることでこれ以上の姿勢の悪化は防げるかもしれません。
しかしそれと並行して、骨格に対して重すぎるランドセルや学校で使うタブレットなどのOA機器によって退化してしまった理想的な姿勢を取り戻す必要があります。
当院では、ランドセル症候群で年齢不相応な姿勢の退化が発生してしまった場合には、悪化要因であるランドセルの重さを軽減するだけでなく、理想的な姿勢を回復する必要があると考えています。
一度退行した姿勢は原則として自然には回復しません。それどころか、一度姿勢が崩れると加速度的に進む傾向にあります。
小学校高学年から中学生にかけて二次性徴を迎えます。骨が伸び、筋肉量が増えます。
心身が大きく変化するこの時期に姿勢不良を有しているのはデメリットでしかありません。
骨や関節の成長が終わってしまった大人と今まさに今後の体を発育させている成長期の子供とでは心身の与える影響の強さが違います。
それゆえに本格的な成長を迎える前=二次性徴を迎える前に理想的な姿勢を回復しておく必要があると考えます。
お子様は自分から不調を訴えるのがあまり上手ではありません。
当然ながらランドセルが重すぎて肩こりと頭痛がひどいから整体行きたい、などの提案はしてきません。
「親の目から見ても明らかに姿勢が悪くなってきた」
「ここ最近体調が悪そうだが別に病気でもない」
「なんだか表情が暗い、気力・覇気がない」
といったランドセル症候群のような不定愁訴にお気づきになられたらぜひ早めのケアを施してあげてください。