イライラすると痛みを感じやすくなる?

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ストレスと痛みの関係性

体の痛みは慢性的なストレスと関係性があるという話を聞いたことはありますか?

心因性疼痛と呼ばれるこれらの現象は、実際に組織の炎症や損傷がなく、レントゲンなどを撮影しても異常が見当たらないのに痛みが治らないというものです。

患部はすでに良くなっているのに過去に体験した痛みや不調の不安感や恐怖感が原因で起こることが多いと言われています。

要は、脳の錯覚ですね。

このように慢性的なストレスは体の痛みに影響すると言われています。

心因性疼痛の他にも「ストレスで胃に穴が開く」なんて言いますね。

慢性的なストレスにさらされると人体には強い緊張が生まれます。

緊張によって血流が阻害されたり、神経が刺激されることで痛みを感じることがあります。

常に全身が緊張し、血流が低下していれば痛みが発生する要因が揃います。

同時に、ストレスホルモンであるノルアドレナリンによって痛みや感覚の受容器を刺激されて痛みを感じやすくなるという現象も起こります。

筋肉や骨格などの運動器と呼ばれるジャンルではなく、内分泌系と呼ばれるジャンルでの痛みのメカニズムです。

また、イライラそのものを脳が痛みとして誤認識するという説もあります。

ストレスによるイライラ→緊張、血流低下、ホルモン分泌→痛みという流れではなくストレスによるイライラ=痛みという図式です。

慢性的なストレスを感じ続けていると、神経伝達物質であるセロトニンの働きが阻害されます。

セロトニンは痛みの抑制の際に消費される天然の痛み止めのような物質です。

慢性的なストレスがあるとこのセロトニンが少なくなるので、疼痛抑制が出来なくなると言われています。

片頭痛の原因のひとつに慢性的なストレスが挙げられるのはこのためです。

ストレスと痛みの関係性は年々研究されてきています。

私が整体業界に入った20年前はこのような認識はそれほどメジャーではありませんでしたが、ここ5年くらいで、ストレスが慢性的な痛みになるという認識が一般の方にもだいぶ広がったように思います。

交感神経の過剰な興奮

慢性的なストレスがかかり続けると、自律神経のうち交感神経と呼ばれる神経が過剰に興奮します。

交感神経は本来、外敵と戦うあるいは外敵から逃亡する際に活性化される自律神経です。

体内の血液やエネルギーを、闘争または逃走に割り振るために働きます。

自然に暮らす動物で言えば「天敵に遭遇して生きるか死ぬか」の際に働く緊急スイッチのようなものです。

慢性的なストレスにさらされ続けると、交感神経が亢進し、やがてこの状態が常態化します。

休息時なのに緊急スイッチが切れない状態で固定されてしまうのです。

こうなると、脳は常に危険を感じるモードから抜け出せません。このせいで、痛みや刺激に過敏になると考えられています。

そもそも交感神経は長い時間過敏になることが想定されていません。

自然界において「相手を打ち倒すか、相手に食べられるか」が決まる=強いストレスに晒されるのはほんの数分の出来事なのです。

本来はごく短時間の間だけ、戦うか逃げるかの選択肢に体の機能を振り分ける仕組みでした。

現代社会においては戦争など余程の極限状態以外では「生きるか死ぬかの二択」を短時間に突きつけられることはなくなりました。

その代わり、さまざまな形で小さな慢性的なストレスがつきまとうようになりました。

この小さな慢性的なストレスに交感神経が反応し続けてしまったことがストレスからくる痛みの本質だと私は考えています。

蓄積されたストレスによってより多くの要因がストレスになり得る、小さな慢性的なストレスがさらに小さな要因をストレスに変えてしまうという悪循環の中に固定されてしまっている状態です。

ストレスと整体

交感神経の過剰な興奮と小さなストレスへの過敏反応が心因性の痛みを生み出す悪循環を形成していることは上記の通りです。

このような問題を解決していくために神経興奮を抑えてあげることがとても大事になります。

ですがあなたが感じているストレスとあなたの体に起こっているストレス反応そのものを改善・解決させようとするのは難しい場合が多いです。

というか、ちょっとの工夫でどうこうできるような程度の問題ならストレスで神経がおかしくなるまで人間悩みませんよね。

慢性的なストレスが原因の問題は、職場の人間関係、大きな病気、介護など「すぐにはどうしようもない」要因によって引き起こされていることが圧倒的に多いです。

ストレスそのものをなくすことは難しいケースが多いですが、このようなストレスが影響してるお体の問題をよくしていくことはできます。

その理由は「人間の体は複数の要素によって相互に影響している」ためです。

例えば、ストレスを強く感じていると主に消化器といった内臓の機能が低下します。

他にも顎や首などの部分に異常緊張を出したりアンバランスを引き起こしたりします。

ストレスそのものをなくすことはできませんが、内臓の機能を手助けしたり、顎や首に生じた異常やアンバランスを解消することはできます。

すると「人間の体は複数の要素によって相互に影響している」ので、ストレスに対する感受性に変化が起こります。

今まではどうしようもなかったストレスに対して少しずつ対応できるようになることが起こります。

心理的な領域は専門外ですので、当院では心理的な療法は一切行いませんが、結果的にストレスに対する施術が可能になります。

このとき特に大事なことは、全体を一度に、包括的にケアすることです。

「人間の体は複数の要素によって相互に影響している」ので複数の要素を一度に正常にすることが重要だと考えています。

ストレス由来のお体の問題は整体の領域でかなりの程度対応できると思います。

人生の進退に関わるほど極端に大きなストレスをどうにかすることはできませんが、整体領域の範疇でもストレスによる問題を緩和・軽減させることは十分に可能です。

体が辛くなる原因が分かっているけどなかなかどうにもならないとお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。

マッサージやリラクゼーションとは違う角度での改善のご提案ができると思います。

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