長年続く肩こりでお悩みの方

そもそも肩こりってなんだろう

日本整形外科学会は、肩こりを、首から肩・背中にかけての筋肉がこわばり、だるさ、重さ、疲労感、ときに痛みを感じる症状と定義しています。

肩こりは自覚症状の個人差がとても多いお悩みです。

首が辛い人、肩が辛い人、肩甲骨周りがこわばる人、後頭部が重い人など一概に肩こりといってもその実態は人それぞれです。

初回のご予約時にお電話で「肩こりで困っています」という方でも実際にお見えになって、ヒアリングとテストをしてみると実は全く違う問題だった、ということもあります。

そもそも肩や首といった部分は、筋肉・骨格・神経的な問題が起きやすい場所です。

このコラムでは、肩こりがどのように起こるか特に多いケースで解説していきます。

なぜ肩こりが起こる?

肩こりが発生する最も多い理由は『首や肩の筋肉が頭部を支えるストレスに耐えきれなくなる』というものです。

人間の頭部の重量は、体重の7〜8パーセントと言われています。

体重60キロの人であれば、4.2~4.8キロの重さがあります。

ですので、肩や首の筋肉は立っているときも座っている時も、常に5キロ程度の重さを支えているということになります。

しかし、頭部の位置が本来あるべき位置よりも前方に3センチ突出していると首や肩にかかる負担は実際の頭部の重量の2倍以上になると言われています。

頭部が前方に突出、と言われてもしっくり来ないかもしれません。

具体的に言えば、頭部が前方に突出した姿勢とは、あなたがスマートフォンやパソコンを操作しているときの姿勢です。

仕事でパソコンを操作しているとき、下を向いて家事をしているとき、スマホで気になる情報を調べているとき、人間の頭部は必ず前方に突出します。そのとき、肩や首の筋肉は10キロ近い負担をずっと支えているのです。

現代の生活ではパソコンのない、スマートフォンのない、テレビや本のない生活は考えられませんね。物理的に肩こりが発生しやすい生活習慣を避けることは難しいのが現状です。

肩こりの大元を解消するには?

頭部が前方に位置している限り、首や肩にかかる負担は非常に大きくなります。ですので、肩こりに対して肩を揉む、マッサージをするという対処は穴の空いた柄杓で水を汲み出すようなものです。

問題の大元を解消するには前方に出た頭部を本来あるべき位置、理想的な位置に戻して安定させることが最も近道です。

では、この頭部の位置を元に戻すにはどうすればいいでしょうか。

当院は、頭部位置を理想的な状態に戻すためには全身の姿勢を理想的な状態に戻す必要があると考えます。首だけ、頭だけ、あるいは逆に骨盤だけ都合よく修正するということは現実的には難しいのです。

頭部が前方に出ると、今度はそのアンバランスを相殺するために骨盤が前に出たり、膝や股関節の角度が変わったりします。ですので、頭部の位置をもとに戻すアプローチと並行して、頭部が前方に出てしまったことによる副次的な問題も一緒に処置する必要があります。

初回のテストが重要な理由

当院では初回の整体を行う前に、必ず全身のテストを行います。

お見えになったかたのお悩みが、肩こりであれ腰痛であれその問題を根本的に解消しようとするならば、副次的に発生している問題を一緒に解消する必要があるからです。

「肩こりが辛いから肩・首を入念に○分コースでやってもらう」というのはリラクゼーションにしかなりません。

全身のテストとだけでなく、内臓の問題や自律神経系の問題がないか、併せてチェックする必要があります。内臓の問題や自律神経系の問題も肩こりを引き起こす要因になるからです。

肩こりはとても奥が深い症状です。

一般概論ではない、『あなたの肩こり』の実態を掴むためには入念なヒアリングと多角的なテストが絶対に必要になります。

肩こりは僧帽筋の緊張によって起こる、という概論は近視的な見方です。
僧帽筋の緊張をどう緩和するかではなく、なぜ僧帽筋の緊張が起こるかが大事なのです。

長年続く肩こりには長年続く理由があります。それは、根本原因が解消されていないからです。

長年続く肩こりを解消するために、まずは根本原因を探すところから始めましょう。

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