骨盤が前に突き出て反り腰になってしまうタイプの不良姿勢

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知名度を得てきた反り腰

前回のコラムでは前首こと頭部前方変位と呼ばれる、頭部が本来あるべき位置から前方に変位してしまう姿勢について解説しました。

今回は首ではなく骨盤が前に出てしまういわゆる「反り腰と呼ばれるタイプの不良姿勢」について書いていきたいと思います。

反り腰に入る前に、前提知識として理想的な姿勢についておさらいしましょう。

人間にとって理想的な姿勢とは立っている姿を横から見た際には

外くるぶしの前端→大腿骨のガーディ結節→大腿骨の大転子→肩甲骨にある肩峰という突起→耳の穴

が直線状に並んでいる姿勢と言われています。

立っている姿を前から見た際には

両足の中間点の真上に恥骨、臍、胸骨が直線的に並んでいて、骨盤と肩が水平で、左右の腕の長さと胴体との隙間が均等で、顎と鼻と眉間が直線状に並んでいる姿勢

と言われてます。

考え方や文献によって体のランドマークが多少異なる場合がありますが、基本的には足・膝・骨盤・肩・頭部が直線的に並んでいることと、左右ある体の部位に大きな差と傾きがないことが条件と言われます。

理想的な姿勢というのは、仕事や家事や趣味やスポーツを行った際に体にかかる物理的な負担が最も負荷が小さくなる姿勢という意味です。

足から頭までのラインが直線的ではなくS字やZ字に歪んでいれば、首や肩や腰にかかる物理的な負荷は理想的な姿勢と比べて2倍以上になると言われています。

理想的な姿勢から、ほんの1インチ頭部がズレるだけで理想的な姿勢と比べると約2倍という計算ですから、背中を丸めてスマホを操作していたり、顎を突き出しながらパソコン作業をしている時の負荷は果たしてどれくらい大きなものになるのでしょうか。

反り腰とは、本来人間が持っている腰椎の自然前弯が過度に増強した状態を指します。

人間の背骨は横から見ると緩やかなS字カーブを描いています。

Sというよりも∮(インテグラル)という方が近いかもしれません。

このSの下の方の湾曲部分が腰椎と呼ばれる背骨の腰エリアに該当します。

脊柱にはそれぞれ自然な湾曲(カーブ)がついています。このカーブが過剰に強くなったものを反り腰と呼びます。

正確には腰椎前弯増強と呼ばれる状態です。

ちなみに、この状態とは逆に自然な腰椎のカーブが失われ直線的になってしまった状態を腰椎前弯減弱、通称深腰(ふかごし)と言います。

反り腰はかなり一般の方にも周知される呼び名になりましたが、深腰はあまりメジャーではありませんね。

一般的に反り腰は女性に多く、深腰は男性に多いと言われています。

その中でも特に細身の方は反り腰傾向が強く、肉付きのいい方は深腰になりやすい傾向があります。

もちろん筋量が多くて反り腰の方もいらっしゃることはいらっしゃいますが、筋量が少なく細身の方に比べると反り腰率が低いように思います。

反り腰が体に悪影響を与えるメカニズム

反り腰こと腰椎前弯増強は体にどんな悪影響を与えるでしょうか。

まず最初に考えられることは、理想的な姿勢と比べ、腰椎をはじめとした背骨にかかる負担が大きくなるということです。

人間の背骨が滑らかなS字を描いている生理的な理由の一つには、脊柱にかかる圧力や負荷を緩和緩衝するという目的があります。

背骨の自然なS字はクッション機能やショックアブソーバー機能を持っています。

自然な撓みが前後にあることで、動きの『遊び』や遊動性と柔軟性を確保しているとされます。

反り腰になると、このカーブが強くなりすぎて、本来は安全マージンとして働いていた自然なカーブが機能しなくなり、むしろ椎間板や椎間関節に負荷がかかるようになります。

少し曲がった木を手に持って軽く力をかければ撓みますが、さらに強く力を込めれば折れてしまいますね。

また、クッション機能やショックアブソーバー機能が低下した腰を支えるために、腰周辺の筋肉群が常に緊張するようになります。

特に腰方形筋という、ウエストラインぐらいの高さで骨盤と肋骨の間にある筋肉の緊張が非常に強くなると言われています。

これと同時に腹直筋などの腹筋群の機能が低下し、お腹が前方と下方に突き出たような形になります。

中年以降のぽっこりお腹は皮下脂肪によるものもありますが、中にはこのような反り腰を背景にしたものも一定数存在します。

こうして反り腰の状態が発生すると、今度はこの反り腰からくるアンバランスを補正するために骨盤の傾きに変化が生まれます。

骨盤が過剰に前方に傾いたり、あるいは後方に傾いたりします。

骨盤の傾きはそのときの体勢や立っているか座っているかでも大きく変わりますが、反り腰と関連性がある姿勢のうち特徴的なものの一つに『でっちり』が挙げられます。

お尻が後ろに突き出たような形だからでっちり(出っ尻)。

別名、ダックテイルと呼ばれるこの姿勢はドナルドダックのお尻のようです。

腰椎の過剰な前弯に伴い、骨盤が本来ある自然な角度よりも大きく前方に傾斜したせいで、お尻が後ろに出てしまった状態です。

このでっちり状態になると、腰仙関節と呼ばれる、腰の真ん中でお尻との境界線あたりの部分に慢性的な圧力がかかるようになります。

また、腹筋群の筋力低下だけでなく胴体部分を支える腹圧という機能が低下するため、骨盤の後面にある関節面の仙腸関節という部分にも問題を起こしやすくなります。

慢性的な反り腰はウエストラインの痛みや違和感や過緊張から始まり、腰の中心部分や骨盤の関節面に悪影響を与えていくケースが多いように感じます。

骨盤そのものの問題だけでなく、骨盤周辺に付着する股関節や膝関節を動かすための筋肉にも影響を与えます。

このような理由で、反り腰や出っちりから始まって慢性的な膝の痛みや股関節周辺の問題へと悪化することがしばしばあります。

人間の腰にかかる重量は諸説ありますが、体重の約44パーセントと言われています。

体重60キログラムの体重の女性であれば26.4キログラムの負荷が腰周辺にかかっています。

もちろんこれは頭部のときと同じ理屈で、理想的な姿勢で立っている場合の話です。

その上で、ずっとオフィスチェアに座ったり、子供を抱いたり、家事をしたりしています。

加齢や日常生活の負荷に耐えられなくなると、だんだんと背骨のカーブが大きくなり、骨盤の傾斜が変わり、股関節の角度や荷重バランスが変わり、膝が伸びなくなったり捻れたりしてゆきます。

このような現象を姿勢の退行(たいこう)と言います。

反り腰やでっちりは姿勢の退行の初期症状とも考えられるでしょう。

前回ご紹介した前首こと頭部前方変位は消化器系や呼吸器系への影響があり、頭痛の直接的原因になり得るものでした。

今回ご紹介した反り腰こと腰椎前弯増強は、特に泌尿器系や婦人系への影響があると考えられています。

反り腰やでっちりによって影響を受ける腰神経や仙骨神経は泌尿器や婦人器系を神経支配しているからです。

反り腰やでっちりのケアをした結果、毎月ひどかった生理痛がだいぶラクになったというような話はよくあります。

他にも、便秘や頻尿が変わってきたり、逆に下痢しやすい方のお通じが安定したりなどの反り腰やでっちりに関連した副次的なお悩みが変化することがあります。

セルフケアはストレッチや筋トレだけでいい?

反り腰こと腰椎前弯増強を解消するにはどんなセルフケアがいいでしょうか。

反り腰の解消に、腹筋やお尻の軽い筋トレはとても有効だと言えます。

骨盤を支えて、背骨のカーブを正常な状態に戻すためには胴体と骨盤周辺の筋力はある程度必要になります。

ただしストレッチに関しては、適正なあるものとそうでないものがハッキリ分かれる傾向があるため、十分に判断した上で行いましょう。

人体は何でもかんでもほぐしたり伸ばしたり柔らかくすればいいというものではありません。

むしろ反り腰は何かがどこかが硬くて起こるケースよりも、支えたりバランスを取るための機能が弱くなって起こるケースの方が多いように感じます。

あなたの反り腰が筋肉の筋力低下や血流不足で起きているものであれば、軽い筋トレだけでも十分に効果が出ます。

ですが別の問題があって、反り腰が二次的な問題として起きている場合はいくら筋トレをしてもそれほど目立った変化は出ないかもしれません。

反り腰は物理的にはここまでご説明した通りの現象ですが、引き起こす要因は必ずしも物理的なもの、筋肉や骨格だけのものとは限りません。

慢性的な胃腸の機能低下があっても反り腰は起こりますし、足首や靴の問題で反り腰が連鎖的に起こることもあります。

痛みや辛さがさほどひどくないという前提で、なんとな〜く反り腰が気になっている人はまずは2週間から4週間ほど筋トレを試してみるといいと思います。

Youtubeか何かで「反り腰 筋トレ」といった風に検索すると大量に動画が出てきます。

よほどトンチンカンな説明をしている動画でなければ中身は大体同じなのでどれでもいいと思います。

それで改善の見込みがあれば筋力低下や運動神経低下で起こるタイプの反り腰です。

逆に、2週間から4週間やっても変化が出なかったり、かえって腰痛や足の痛みが出てきてしまった人は別の問題がある可能性があります。

痛みや辛さがひどい、または運動やトレーニングで改善しない反り腰は全身のバランスを細かく見た上で根本原因を特定する必要があります。

色々セルフケアで頑張ってみたけどどうにもうまくいかない場合は一度ご相談ください。

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