食事は私たちの生活において欠かせない要素です。
食べ方にも健康に大きな影響を与えることをご存知でしょうか?
特に「よく噛んで食べる」ことは、様々な健康効果をもたらします。
今回のコラムでは、よく噛むことの重要性や具体的な健康効果について
整体院的な目線からさらに詳しく掘り下げていきます。
目次
噛むことの基本的なメカニズム
食べ物を噛むことは消化の第一歩です。
食べ物を噛むことで食物が細かくなります。
細かくなった食物は唾液と混ざることで消化酵素が働きやすくなります。
その結果、胃や腸での消化がスムーズに進み、栄養素の吸収が促進されます。
また、噛むことは脳に刺激を送り、満腹感を覚えやすくなります。
よく噛むことには食べ過ぎを防ぐ効果もあります。
整体的な目線で言えば、消化がスムーズに進むことが特に重要です。
よく噛まなかったり、消化の悪いものばかりを食べていると消化負荷が上がります。
消化負荷が上がると、肩や首の痛みやこり、背中のハリやぎっくり腰リスクも高くなります。
同じ食材同じ料理を食べていても、よく噛むことで内臓への負担を下げることができます。
満腹感の促進
食事をよく噛むことで、食事が少量でも満腹感を得やすくなります。
研究によると、食事を始めてから脳が満腹を感じるまでには約20分かかると言われています。
よく噛むことでこのプロセスがスムーズに進行します。
あまり噛まないで食事をすると体が求める適切量をオーバーしてしまいます。
食べ過ぎは慢性的な肩こり・腰痛・首の痛みを悪化させる大きな要因です。
適切なタイミングで食事を終了するためにも、満腹感の促進は重要です。
体重管理と肥満防止
よく噛んで食べることは、体重管理や肥満防止にも効果的です。
早食いは血圧の上昇、脂質異常症、血糖値の上昇と関連しており、結果的に肥満につながることと考えられてます。
ゆっくりとよく噛んで食べることで、食事量が自然と減少し体重の増加を防ぐことが期待できます。
肥満(過体重)は慢性的な肩こり・腰痛・首の痛みに悪影響を与えます。
特に、腰痛は過体重と関連性の深い症状です。
長期的にみて、体重コントロールは非常に重要な健康管理です。
運動量を増やすことよりも食事量を減らす方が体重管理は成功しやすいようです。
よく噛むことによる体重管理・肥満防止は軽視できません。
よく噛むことは、脳内物質の働きにより内臓脂肪の分解を促進する効果もあります。
消化の促進
噛むことによって唾液の分泌が増加し、消化を助ける酵素が活性化されます。
酵素の活性化で食物の消化がスムーズに進み、胃腸の負担が軽減されます。
消化不良や胃もたれを防ぐためにも、よく噛むことは非常に重要です。
整体的な観点で言えば、胃腸の負担が減れば慢性的な体の痛みや倦怠感の軽減につながります。
逆に、早食いによる消化不良は胃腸に負担をかけ、腹痛や下痢、便秘などの原因となるだけでなく消化器負担からくる腰痛や背部痛、肩こりを引き起こすことがあります。
よく噛むことで、これらのリスクを軽減し、健康な消化を促進することができます。
また、唾液には抗菌作用があり、口腔内の健康維持にも寄与します。
口呼吸が多かったり、ドライマウスになりやすい方は積極的に唾液を分泌させましょう。
認知機能の向上
よく噛むことは、脳の活性化にもつながります。
噛む動作は脳に刺激を与え、認知機能の向上や認知症の予防に役立つとされています。
特に高齢者に於いては、よく噛むことが脳の健康を保つための重要な習慣となります。
噛むことで脳が活性化され、記憶力や集中力が向上することが期待されます。
慢性的なストレス環境にある方は認知機能が低下する傾向にあります。
よく噛むことは心理的なストレスや仕事のプレッシャーが多い方のメンタルコンディションの一助になります。
しかしながら、忙しい人やストレスが多い人ほどよく噛まずに早食いしてしまう傾向にあります。
ゆっくり食事を摂るということはストレスマネジメント法の一つです。
忙しい人、ストレスが多い人ほどゆっくりよく噛んで食事を摂りましょう。
食事を楽しもう
最後に、よく噛むことは食事をより楽しむための基本です。
食材の風味や食感をじっくりと味わうことで、食事の満足感が高まり、心身のリラックスにもつながります。
食事を急いで済ませるのではなく、ゆっくりと時間をかけて楽しむことはQOLの向上に繋がります。
よく噛んで食べる:実践方法
よく噛んで食べるための具体的な方法として、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
1. 一口ごとに30回以上噛む
食物をしっかりと噛み砕くことで、消化がスムーズになります。
よく噛む習慣ができるまでは咀嚼する回数を決めてしまうと取り組みやすいかもしれません。
2. 小さな一口を心がける
大きな口で食べると早食いになりがちです。
一口が大きいと呼吸がしづらくなり、そのまま勢いでよく噛まずに飲み込んでしまうことがあります。
小さな一口を意識しましょう。
3. 食事中は落ち着いた環境で
テレビやスマートフォンを見ながらの食事は早食いの原因になります。
食事に集中できる環境を整えましょう。
また、食事に集中できる環境では副交感神経が高まり、消化・吸収が促されます。
忙しい朝でも、疲れた夜でも「ながら食べ」はやめましょう。
4. 食事に時間をかける
15分以上かけてゆっくりと食べることを心がけましょう。
噛む回数を設定する方法以外にも所要時間もある程度決めてしまうやり方があります。
ゆっくり食べることに慣れていきましょう。
5. 食材の味を楽しむ
食事中は食材の風味や食感を意識し、味わうことに集中しましょう。
料理を味わうように意識すると、落ち着いた環境で食べる時と同様に副交感神経が高まり、消化・吸収が促されます。
流し込むように食べるのはやめましょう。
よく噛むことの習慣化
よく噛むことを習慣化するためには、意識的に行動を変える必要があります。
例えば、食事の際に「今日は何回噛んだか」を数えてみることや、家族や友人と一緒に食事をする際に「よく噛むこと」をテーマにしてみるのも良いでしょう。
30回だとか15分だとか具体的な数字を決めてしまうのはおすすめです。
こうした小さな取り組みが、習慣化につながります。
まとめ
よく噛んで食べることは、満腹感の促進、体重管理、内臓脂肪の減少、消化の促進、認知機能の向上など、多くの健康効果をもたらします。
これらの効果を得るためには、日常的に意識してよく噛む習慣を身につけることが重要です。
健康な生活を送るために、今日からでも実践してみてください。
食事を楽しみながら、心身ともに健康を保ちましょう。