整体師がよくいただく質問に「オススメの枕はありますか?」というものがあります。
寝具選びに迷われている方が多いようですね。
「今の枕が合いませんか?」とお尋ねすると
「寝ても疲れが取れなくて、枕を変えたら熟睡できるんじゃないかな」
という理由で理想の枕探しをされていることが多いように感じます。
オーダーメイドの枕を作ってもいまひとつフィットしない方もいれば、量販店で売っている枕でも快眠できる人もいます。
今回のコラムでは理想的な枕選びについてご説明します。
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枕に必要な要素とは?
枕には5つの要素が重要と言われています。
ただし、枕が合う・合わないという問題は個人差が非常に大きいので「これが絶対に正解」というものは存在しません。
この点を念頭に置いて、比較検討していきましょう。
適切な高さは?
枕の適切な高さは首の自然なカーブをサポートして首と背中の間に隙間ができないような高さが理想的です。
枕が高すぎると首が曲がって、首の筋肉や後頭部に緊張が生まれます。
逆に枕が低すぎると首が伸びて、肩周りや背中に緊張が生まれます。
適切な高さは枕を使う人の首のカーブによって変わります。
なので一概にこの高さが最適!というものはありません。
一般的な傾向としては、睡眠時に大きなイビキをかく人は少し高めの枕がフィットします。
よく寝違えを起こしやすいという人は低めの枕の方が安定する傾向にあります。
適度な硬さと柔らかさは?
首と頭部を安定させるために枕には適度な硬さが必要です。
枕が固すぎると首や肩の筋肉の緊張の原因になります。
過度に硬い枕は圧力をかけすぎ、柔らかすぎる枕はサポート力が不足する可能性があります。
指で押したときに軽く凹むくらいの硬度だと、頚椎のカーブを一定の状態に保つことができます。
高さは個人差が大きいですが、硬度はある程度最適解があるように感じます。
「少し硬めかな?」くらいがちょうどいいと感じる人が多いでしょう。
適切な形状は?
首と頭部をサポートする形状であることが重要です。
首のカーブに沿った形状や、頭部をやさしく包み込むようなデザインが効果的だと言われていますが、大きさ(面積)も忘れてはいけません。
人間は寝ている時に寝返りを打ちますので、小さい枕よりは大きい枕の方が首にかかる負担が平均して小さくなります。
最近は肩口や肩甲骨までカバーするタイプの大きな枕が売り出されています。
猫背気味の人は、肩甲骨の間から上部胸椎まで支えてくれる大きな枕だと首に発生する負荷が小さくなります。
ただしストレートネックで背中から首にかけてのカーブが直線的な人は大きい枕だと寝づらくなるかもしれません。
枕の高さが低くても高くてもいまひとつシックリこない場合は、肩甲骨や肩口までカバーする大きな範囲の枕を検討してもいいでしょう。
頭ギリギリの小さい枕が合う、という人は少数派のように思います。
枕の通気性って大事?
枕内部の通気性が良く、湿気や熱を逃がすことができる素材やデザインは寝汗や不快な湿気が蓄積されるのを防ぎます。
衛生的な理由だけでなく、頭に熱気がこもってしまうタイプの方には枕の通気性は重要な要素です。
中国医学理論に「頭寒足熱」というものがあります。
体の健康を保つための重要な考え方の一つで、体の上半身(頭部)が冷えているときには、下半身(足)を暖かく保ち、逆に上半身が暖かいときには、下半身を冷やすことで体のバランスを整えるという意味です。
この考え方は、体の血液やエネルギーの流れを調整し健康を維持するために重要だとされています。
寝ている時も下半身は暖かく、上半身が涼しい状態が理想的な睡眠をキープする上で有効です。
耐久性は高い方がいい?
長期間使用しても形状が変わりにくいだけの耐久性があると頻繁に買い換える必要がなくなります。
耐久性の高さを追求しても枕は消耗品ですので高さや硬度が劣化することがあります。
大きいクッションやビーズクッションも数年ごとにワタやビーズを換える必要がありますよね。
買ってしばらくは良かったけど、最近ちょっと寝苦しい……と思ったら買い替えのサインかもしれません。
ちょっと奮発して一生モノの枕を買う!という考えもいいと思いますが、定期的に買い換えてもストレスにならない値段の枕をお勧めします。
そもそも枕を変えたらよく眠れるの?
枕を変えれば睡眠のクオリティは本当に上がるのでしょうか。
理想の枕探しの出発点が「寝ても疲れが取れない」ことに始まってるなら枕を変えたら全て解決するとは限りません。
もちろん、合わない枕よりはあなたの首や頭にフィットした枕の方が良いのは間違いないでしょう
ですが、睡眠のクオリティを高くする取り組みを行わなければどんないい枕も真価を発揮できません。
日中に適度な運動をする、カフェインをとりすぎない、寝る前に神経を興奮させないなどの取り組みを行い、よく眠れるような工夫をすることで今使っている枕でもすっきり目覚められるようになるかもしれません。
これは枕だけに限った話ではなく、マットレス選びでも同じことが言えます。
ハイクオリティな寝具は非常にいいものですが寝室にスマートフォンを持ち込んだり、アルコールやカフェインを摂取しすぎているとあまり意味がありません。
枕の良し悪しは外部要因の一つとして考えた方がいいと思います。
まとめ
頭や首の形は人によって違います。
その人の姿勢や体型によっても最適解は変わります。
ですので、この枕がおすすめ!という固有の商品は挙げられません。
基準として……
高さは極端に高かったり低かったりしない方がいい
硬度はある程度弾力がある方がいい
のぼせやすい人は通気性が大事
耐久性はあるに越したことはないけれどあくまで消耗品
これらの要件を踏まえて、その人その人に合ったものを探していくというのがベストだと思います。
枕が変わると眠れない!という人は枕以外にも睡眠のクオリティが下がる要因を持っていることが多いです。
よく眠れるような工夫と生活習慣を心がけた上で、理想の枕を探しましょう。