低気圧のときに自律神経の不調が起こるのはなぜ?

傘をさした白いワンピースの女性

雨や曇りで気圧が低下する前日はめまいや胃腸の不快感、気分の落ち込みなど様々な自律神経の不調が現れやすい時期です。

今回のコラムでは低気圧のときに自律神経の不調が起こる理由と、自分でできるセルフケアについてご紹介します。

仕組みを理解して、雨の日も曇りの日もなるべく快適に過ごせるようにしましょう!

低気圧と自律神経の不調の関係性

気圧変化と血圧の関係

低気圧時はあなたの周囲を取り囲んでいる大気圧が低下します。

このとき、血管の内部と外部には圧力の差が起こりやすくなります。

人間の体は自律神経と呼ばれる『生理機能を保つために自動で働いてくれる神経』によって常に一定の状態に保たれるようになっています。

この働きにより、大気圧の変動に対応するために、頻繁に血管が収縮したり拡張したりして血圧が急激に上下することがあります。

一部の人にとって、この変動による自律神経系への負荷と影響が様々な症状を引き起こしているのではないかと考えられます。

酸素の供給と神経の働き

低気圧下では、酸素の濃度も変化することがあります。

酸素の濃度が変化することで、身体の細胞や組織への酸素供給に影響を受ける可能性があります。

酸素の不足や変動は、神経細胞の活動に影響を与え自律神経系の調節や働きを妨げることがあります。

このようなメカニズムで自律神経の症状が発生することがあります。

酸素の濃度が変化して一時的に酸欠状態になると痛みや不快感、感覚の異常が直接的に起こることもあります。

痛みや不快感などの感覚異常は脳に体の酸欠を知らせる役目もあると言われています。

気圧とホルモンバランス

気圧の変化はホルモンの分泌にも影響を与える可能性があります。

特に、ストレスホルモンであるコルチゾールなどが関連しています。

コルチゾールとは、副腎から分泌されるホルモンの一種で外部ストレスへの応答や体内のリズムを調節する重要な役割を果たしています。

外部ストレスに対応するために血糖値を高めたり、全身の循環リズムを変動させる機能があります。

このコルチゾールの急激な増減が自律神経系の調節や働きに影響を与え、自律神経的な症状を引き起こす場合があります。

気圧と睡眠や頭痛への影響

低気圧下では睡眠の質が低下しやすくなると考えられています。

気圧の変化によって睡眠リズムや呼吸のコンディションに影響を及ぶためだと言われています。

いつもと同じ時間に寝たはずなのに、朝起きたときになんだかスッキリしない日があるとしたらそれは低気圧が影響しているかもしれません

低気圧から起こるお身体の問題で特に多いのは頭痛です。

頭痛は自律神経系の活動とも密接に関連しています。

気圧の変化は頭痛を引き起こす大きな要因です。

低気圧のときにできるセルフケアは?

画面いっぱいの緑黄色野菜

気圧はお天気ですから自分の意思で高くしたり低くしたりすることはできません。

自宅で出来るセルフケアをご紹介しますので、気圧から受ける影響が小さくなるようにトライしてみましょう!

適切な睡眠を確保しましょう

十分な睡眠は自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。

寝具や寝室の温度はやや涼しい程度(摂氏18度前後)が理想的と言われています。

照明は明るすぎず、可能であれば室内は真っ暗な状態の方が睡眠の質が向上するそうです。

睡眠環境を調整し、良質な睡眠を確保しましょう。

適度な運動を行いましょう

適度な運動はストレスを軽減して、全身の血流を促進させます。

ウォーキングやストレッチなどのごく軽い運動を行うだけでも全身の循環が良くなり神経がリラックスした状態になります。

逆に、強度の高い運動や呼吸が荒ぶるほどの激しい運動は逆効果になる場合もあります。

激しい運動をすることで運動神経が過度に興奮してしまい、それに付随して自律神経も興奮状態になりやすいためです。

少し息が上がる程度でも十分ですので軽い負荷の運動を試してみましょう。

ストレス管理をしてみましょう

リラックスするための方法を見つけましょう。

深呼吸、瞑想、ヨガなどのリラクゼーション技術は自律神経のバランスを整え、ストレスを軽減するのに役立つと言われています。

ストレス管理も運動同様、高度で本格的なものである必要はありません。

いつもよりも深呼吸を行うように意識するだけでも呼吸へ働きかけることができます。

スマホやパソコンから離れて椅子に座り静かに目を閉じているだけでも瞑想に近い効果が生まれます。

スタジオで行うワークショップや専門クラスのヨガでなくても十分に体に好ましい影響が出ます。

ストレス管理が新しいストレスにならない程度で良いので、まず試してみましょう。

十分な水分を摂取しましょう

適切な水分摂取は血圧や血流を維持して体内の代謝を促進します。

特に低気圧の時は体液循環が悪くなりやすいためいつも以上に適度な水分摂取が重要です。

成人なら1日に2リットル程度の水を飲むことが推奨されています。

一度に大量に摂取するのではなく、こまめに二口(ふたくち)ずつぐらい摂取する飲み方が水分補給としての効率が良いとされます。

健康的な食事を食べましょう

バランスの取れた食事を継続的に摂ることで低気圧からの影響を小さくすることが期待できます。

特にビタミンやミネラルを豊富に含む食品を摂取することが重要です。

ビタミンCやビタミンD,亜鉛などは免疫系の働きを正常にするために必要な栄養素です。

ビタミンB群はエネルギーの維持や代謝の正常化に必要な栄養素と言われています。

このようにビタミンやミネラルは天気や気圧のような外部要因のストレスから生体を守り正常な状態を保つ働きがあります。

なお、ビタミンの中には加熱によって損なわれてしまうものが多くあります。

加工度の高い食品よりも可能な限り加工工程の少ない食品の方がビタミンやミネラルを摂取しやすいかもしれません。

温かいお風呂にしっかり浸かりましょう

温かいお風呂にしっかり浸かることで筋肉の緊張をほぐして、リラックス効果を得ることができます。

心臓への負担が少なく長時間入浴ができるため半身浴が人気ですが、バスタブに深く浸かる方が全身に水圧がかかります。

低気圧化だと血管への圧力が弱くなり、そのせいで血流障害が起こりやすくなると考えられています。

バスタブに浸かって入浴することで水圧がかかると、血管運動性が回復する見込みがあります。

シャワーではなく入浴をしましょう。

ただし、片頭痛発作が出ているときは悪化するので注意してください。

まとめ

気圧は血圧、酸素濃度、ホルモンバランスなど人体生理を管理するために重要な要素に影響しています。

人間の意志ではどうしようもない要素ですのでセルフケアをして対策しましょう。

睡眠、運動、ストレス、食事、入浴などの生活習慣に一工夫するだけで低気圧の影響を軽減できます。

天気は明日も明後日もやってきます。

晴れの日ばかりがいいですが、雨の日も嵐の日もあります。

続けられるように無理のない範囲でコツコツやりましょう!

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